愛媛県産のかんきつを”愛媛かんきつ部”でPRするにあたって、愛媛大学大学院 農学研究科 教授である菅原氏の研究結果を紹介するとともに、かんきつに含まれる機能性成分、効果・効能などを食品機能学の観点からお伝えします。
菅原卓也コーチ

コーチ

菅原卓也 Sugahara Takuya

愛媛大学大学院 農学研究科教授

愛媛大学大学院 農学研究科附属食品健康科学研究センター センター長

愛媛かんきつ部 コーチ(令和2年度)

教えて!菅原コーチ!

菅原コーチ

さすがキャプテン、熱心ですね。
かんきつの力について話すと止まらなくなってしまうので、ここではかんきつに多く含まれる「機能性成分」についてお教えしますね。
かんきつには、健康維持に役立つ「機能性成分」がたくさん含まれているんです。中でも代表的な7つの「機能性成分」がこちら。
1ビタミンC(アスコルビン酸):皮膚や粘膜の健康維持(肌荒れ改善など)
2β-クリプトキサンチン:骨の健康維持(骨粗しょう症の予防など)
3クエン酸:疲労回復作用など
4ヘスペリジン:血流循環の改善(冷え性の改善など)
5食物繊維:便秘予防、悪玉コレステロール(LDL)の上昇抑制など
6ノビレチン:抗アレルギー効果、抗炎症効果(生活習慣病予防や花粉症緩和効果など)
7オーラプテン:認知機能改善効果など
以上のように人間の内側、外側、両方の健康維持に役立つ成分が豊富に含まれています。愛媛かんきつ部のキャプテンとして、ぜひかんきつの魅力を伝えていってください!
※機能性成分とは
健康の維持に役立つ様々な機能的効果が期待される成分のことです。たとえば、アレルギー緩和、炎症抑制、高血圧予防、免疫力向上などが期待できる成分が存在します。

菅原コーチ

疲れがとれないとつらいですよね…。
疲労の原因は「体内に蓄積した疲労物質(乳酸)」とされています。
この疲労物質(乳酸)を分解してくれるのが「クエン酸」という成分なんです。
かんきつにはこの「クエン酸」が多く含まれていますので、疲労回復におすすめです。

菅原コーチ

「抗酸化」という言葉を聞いたことはありませんか?
エイジングケアや老化の話題になったときに、よく出てきますね。
細胞が酸化すると老化を早めたり、さまざまな病気の原因になることがあります。「抗酸化」とは、細胞の酸化を抑制してくれる作用のことなんです。
かんきつには、この抗酸化作用を持っている「ビタンミンC」が豊富に含まれていて、皮膚や粘膜の健康維持を助けてくれます。
ですので「ビタミンC」を含んでいるかんきつは、美肌効果が期待できるとよく言われていますね。

菅原コーチ

風邪に限らず、病気に対して強くなるには「免疫力」が大切だと言われています。
「免疫力」は、細菌やウイルスなどの有害な物質を身体から排除する力のことです。
私たちの研究では、かんきつに多く含まれる「β-クリプトキサンチン」や「オーラプテン」という成分に免疫促進効果が期待できることがわかってきました。
現段階では、魚や小動物での実験ではありますが、今後、私たち人間でも同様の効果がみられることが期待されています。

菅原コーチ

意外に思われるかもしれませんが、かんきつの”皮”にもすごくたくさんの栄養があるんです。
特に、「食物繊維」や「オーラプテン」などの機能性成分は皮に多く含まれています。
ですので、かんきつの栄養を少しでも多く取り入れるためには、皮を食べるといいですね。
注意点としては、一般的に売られているかんきつには農薬やワックスなどが使われている可能性がありますので、まずはしっかり水洗いをしましょう。

菅原コーチ かんきつコラム

菅原コーチ

β-クリプトキサンチンの免疫促進効果

β-クリプトキサンチンは、橙色の色素成分でカロテノイドの一種。果皮、果肉(薄皮含む)とともに、他の果実と比べても特に豊富に含んでいるのが温州みかんです。

近年、機能性表示食品の関与成分としても注目されており、「骨代謝の促進」、「血圧のサポート」に効果的であると期待されています。

さらに、愛媛大学によって、β-クリプトキサンチンは培養細胞、マウスへの経口投与、ハマチやマダイなどの魚へのみかん抽出物給餌の検証によって、「免疫促進効果」にも期待ができるという研究結果が確認されました。
なお、温州みかんの果皮抽出物を餌として与えられたマハタからは、感染症への免疫促進効果だけでなく、遊離アミノ酸(甘み、旨味に関する成分を含む)が増加したという分析結果も出ています。

これによって養殖されたマハタを「ひめ柑育ちマハタ」としてブランド化することに成功しました。
今後も研究によって、更なるかんきつの可能性を研究し続けます。

「かんきつ」の
主な栄養素

ビタミンC(アスコルビン酸)
効果 抗酸化作用によって皮膚や粘膜の健康維持を助け、肌荒れなどを改善する
種類 かんきつ全般
β-クリプトキサンチン
効果 骨代謝の促進により骨の健康維持を助け、骨粗しょう症の予防作用がある
種類 かんきつ全般(温州みかん、せとか、ポンカンに特に多い)
クエン酸
効果 疲労の原因とされる体内の乳酸を分解するため、疲労回復作用がある。また、血液の酸化を抑制し、老廃物を排出し血流循環を改善する
種類 かんきつ全般
ヘスペリジン
効果 毛細血管を保護して血管を強くしたり、末梢血管を拡張させ血流循環を良くするため冷え性を改善する
種類 かんきつ全般(特に温州みかん、デコポン、伊予柑に多い)
食物繊維
効果 内側の皮(じょうのう)部分に多く含まれており、体内に吸収されず腸内の有害物質と一緒に排出され、便秘の予防効果がある。また、悪玉コレステロール(LDL)の上昇を抑える作用がある
ノビレチン
効果 抗炎症作用によって生活習慣病や認知症などの予防作用がある。また、アレルギー症状の緩和作用がある。
種類 かんきつ全般(ポンカンに特に多い)
オーラプテン
効果 神経細胞を攻撃するグリア細胞の過剰な活性化の抑制によって認知機能改善効果がある
種類 かんきつ全般(河内晩柑に特に多い)